2011年5月7日土曜日

Sell in May

春山さんが検証なさっているので、私もやってみました。 春山さんの検証との違いは、年間平均との差に注目した点です。 どういうことかというと、春山さんの検証でのハンセン指数のように、上がっている期間なら一番悪い月でもプラスになりますし、逆に1990以降の日本だと5月に売るどころかあれこれ考えずに最初から持たない方がマシです。 1年の中でどこがいいかを知りたいので、前後半年ずつ合計1年間のリターンとその月のリターンとの相対比較にしました。 まずは日経平均です。日経のサイトで1949年からのデータを入手し、先月終値で買って今月終値で売った場合の騰落率の、年間平均との差を平均しました。

11月はほんのわずかですがマイナスです。

次に春山さんと同じく先月終値で買って3ヶ月後の終値で売った場合です。

例えば1月の0.02は、12月末に買って3月末に売ると、1年間持ちっぱなしと比べて2%儲かる、ということを意味します。

これを見ると、4月末には売って11月は買い場さがし、11月末までには買っておくのがよさそうです。

また、長期的に上がっている時期、下がっている時期の様子を見るために、年間平均との差ではなく騰落率そのものを、バブル前と後とで見てみました。

バブル崩壊までは深く考えずに持ちっぱなしが良く、バブル崩壊後は3,4,12月以外は持たない方が良いことになります。

春山さんがさらに1年間での分析をなさっていて、月ごとに結果が大きく変わっています。

原因は、相加平均≧相乗平均と、集計期間の違いによるものです。

相加平均≧相乗平均に関する説明を簡単にするために、極端な値の例を作ります。 2000年1月が20,000 2000年7月が30,000 2001年1月が20,000 2001年7月が10,000 2002年1月が20,000 2002年7月が30,000 2003年1月が20,000 2003年7月が10,000 2004年1月が20,000 2004年7月が30,000 という指数があったとします。 2000年1月に買って2004年1月に売っても 2000年7月に買って2004年7月に売っても損得なしですね。 1月に買って1年持ち続けるのなら、 2000年1月に買ったら±0% 2001年1月に買ったら±0% 2002年1月に買ったら±0% 2003年1月に買ったら±0% で平均したら±0%、 2000年7月に買ったら-67% 2001年7月に買ったら+200% 2002年7月に買ったら-67% 2003年7月に買ったら+200% で平均したら+66.6% です。 投資結果は相乗平均なので、相加平均≧相乗平均のぶんだけ、ばらつきが大きいほど相加平均は大きくなります。 集計期間に関しては、私は1949年5月から2011年4月まで集計したのですが、試しに最初の1年を除いたり、最後の1年を除くとどのように変わるか見てみました。私は対数をとって全て相乗平均で処理していますので、相加平均≧相乗平均の影響は出ていません。

春山さんが極端時期を外して計算なさっていたので、日本の対年間平均の差に関して中央値を求めてみました。

4月まではプラス、9月が大きなマイナスになります。

おねこさまのSell in May の研究の尻馬に乗って・・・でも検証がなされています。