2009年2月25日水曜日

ブルベアファンドとかブルベアETFとか

投資信託の怪⑦(ブノレベアファンドの謎)に書かれていることを数字を挙げて補足します。
説明用にキリが良い数字を使います。1日にでそんなに動かないよ!というツッコミはご勘弁を。
キリが悪いだけで日常動く数字でも同じことが起こっています。

ブルベアファンドで、対象の指数がある日20%下がって翌日25%上がったら、結局2日で戻りますが、このとき
1倍ベアファンド(マイナス1倍)だと初日20%上がって翌日25%下がりますから、結局2日で10%下がります。
2倍ブルファンド(2倍)だと初日40%下がって翌日50%上がりますから、結局2日で10%下がります。

こんな風に、ちゃぶつくとブルファンドもベアファンドも損します。初日25%上がって翌日20%下がっても同じです。
じゃあこんな場合にどんな投資法なら損しないかというと
インデックスファンド(1倍)なら指数と同じ動きですので、2日で元に戻ります(信託報酬は引かれますが)
あるいは現金持ちっぱなし(0倍)でも当然ながら元と変わりません。

じゃあ儲かる方法はあるかというと、-1倍と2倍が損、1倍と0倍が損得なし、ということの類推から、0.5倍、つまり現金とインデックスファンドの評価額が常に一定になるように運用すると、初日10%下がって翌日12.5%上がるので、結局2日で1.25%儲かります。
実際には売買手数料とかかかるので計算どおりには儲かりませんけど、さわかみファンドの成績の源泉もここにあります。流入資金があっても上がった時には買わず(1口あたりの現金比率が下がる)、下がった時にゴキゲン買いをするわけです。

一方、一方的に動く時はブルベアファンドが有利です。例えば指数が毎日10%ずつ下がるなら2日で指数は19%下がりますが、ベアファンドは21%上がります。
逆に指数が毎日50%ずつ上がるなら、指数先物を売っていれば破産ですが、ベアファンドなら毎日50%下がって2日で75%下がるので、破産は免れます。

結論としては、
毎日一方的に下がるならベアファンドが有利、一方的に上がるとしても損失額が少ないという意味で先物売よりはベアファンドが有利。
でもちゃぶつくなら無難に先物を売っておいた方が有利。

ファンドの基準価格が理屈どおりに動いたとしても、相場が一方向に動くことは少ないのでブルファンド、ベアファンド共に長期的には基準価格が下がります。さらに実際の運用では、上がっている時に買い、下がっている時に売るのでスリッページもかかりますし、毎日手数料も払うので、理屈よりさらに成績は悪いです。それで基準価格が運用開始時から大幅に下がってみっともなくなると償還してI,II,IIIと新しく1万円から運用しなおしです。
どうしてこんな運用をするかというと、例えばベアファンドの場合、指数が上がればファンドの総資産が減少しますので、それに応じてポジションを減らし(高くなってから買戻し)、指数が下がればファンドの総資産が増えるのでポジションを増やし(下がったところで新規売り)、になるからです。同じ理由で一方的に上がるなら損切りを続けるので破産はせず、一方的に下がるならどんどん売り乗せするので利益は大きくなります。

というわけで、ブルベアファンドで儲けるには、単にこれから上がる傾向にある、下がる傾向にある、だけを当てるだけでは駄目で、明日から連続して下がり続ける、明日から連続して上がり続ける、を当てなければなりません。
だから私はこの欠点を説明せずにブルベアファンドを勧める人は信用しません。ただ、この欠点は一般にはあまり知られていないみたいで、春山さんですら、1年ほど前にご自身のコメント欄で「ベアETFなら先物と違って逆に動いても破産しないから良さそう」みたいなことを書かれていました(表現はちょっと違ったかもしれません。記憶で書いていますので)。すぐにこの欠点を書いておきました。
付け加えておくと、春山さんも人に勧める意味ではなく、ご自身の投資対象として良さそうかなと考えられていただけです。

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