2009年4月15日水曜日

討論のあり方

[中級経済学事典] 双対性 - 池田信夫 blog
本文も興味深いのですが、コメント欄も面白かったです。

Retired Scientistさん
日本では違った意見を持つ事は敵だと見なされるので、批判的な意見を言う人は袋だたきに遭うか、またはブログから事前に削除されてしまうのでしょう。

bobさん
おそらく日本人にとってはブログは「家」なのです。「わざわざ家まで行って反論を述べるのは礼儀知らずだろう」という意識が働く

それからさん
日本人は倫理的価値(人格、品性)と権威的価値(学問業績などによって得られる)との分離が苦手なのです。したがって、後者の達成が前者の達成に転嫁しがちであり、後者が棄損すれば前者も棄損するとみなす傾向がでてくるのです。学問的論争の勝ち負けは、前者の存続にかかわるので、論争が人格にも飛び火することがあるのですね。

私の経験ですが、まさに2007年10月のこと。
ネットで知り合った人がご自身のブログで「きちんとキャッシュを産み出す企業の株を買うべきで、短期的な値動き狙いで売ったりせず、投資に回せる資金があるなら殆ど金利のつかない(キャッシュを産まない)現金で持たず、そのような企業の株を買ったり高金利通貨を買うべきだ」と書かれていました。
私は、異なる意見の人と話をすれば、相手の役に立てるかもしれないし、逆に私が勉強出来る事もあると思って「あまりに上がりすぎたら売った方が良いのでは?」とブログのコメント欄に書いたのですが、返って来た反応は、私の期待(理論的な反論)とは異なり(まぁ別に誰もが私の期待通りの返事をくれると期待してはいけないのですが)
・お前は長期投資を全然分かっていない
・不満なら見るな
というものでした。私としては、私と異なるやり方が書かれたブログ、私のやり方を否定したブログを見ると、その人が詳しいなら勉強させていただくし、あからさまに間違っているなら気が向けばツッコミを入れるだけで、不満、不快に思うことは無いです。
方法に対する自分と異なる意見に対しての感情的な反応を見て(もしお前は下手、なんて書けば感情的な反応は当然ですが)
「あぁこの人は資産を増やす目的のための手段として長期投資しているのではなくて、長期投資(正確には長期持ちっぱなし)そのものが目的なのだから、異論を唱えてはいけないのだな」と思いました。
それを機に、その人たちのグループとも疎遠となり、「やっぱり幽霊と相場師は寂しい方にしか出ないのだな」と思ったことがあります。

6 件のコメント:

  1. >・お前は長期投資を全然分かっていない

    ↑ああ、そういう感じですね。長期投資にロマンが
    あるし、確実だと思ってるでしょうね。私も以前はそうでしたから。投資に確実なんてないのですけど。
    結局、自分の運用の間違いを内省したくなかっただけ
    なんです。当時の私は。

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  2. > 私も以前はそうでしたから。

    言われて見れば私自身もそうでした。都合の悪いことは忘れることにしていますので(汗)
    不快感は、自分の間違いに本当は気づいているけれど認めたくない、という心から起こるのでしょう。
    私も以前は下げ相場で売り方に対して不快感を持ちましたから。今は平気でショートしますけど。

    不愉快のネタを一つ一つ向かい合って潰していって、自分の世界が広がるのでしょうね。

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  3. お前は長期投資を全然分かっていない
    ( ・∀・)(・∀・ )うん。
    不満なら見るな( ・∀・)(・∀・ )うん。


    その人は同意を得たいだけだったのでしょうか?

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  4. > その人は同意を得たいだけだったのでしょうか?

    多分、啓蒙なさろうと思っていたのだと想像してます。
    http://www.yuichiro-itakura.com/shop/selling/book09.html
    のように。まぁこの著者は商売でしょうけど。

    企業価値に基づいた投資を広めるために、自らはvolatilityの犠牲になることを厭わない、ある意味潔いのかも。

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  5. >多分、啓蒙なさろうと思っていたのだと想像してます。

    あ~なるほど本出版とかしてるのですか・・・・。
    ってなると、出版に関わった人たちの収入も考えないといけないから反対意見等は『立場上』受け入れる訳にはいかないかもしれないですね…
    あの業界には間違っても転職したくないです(笑)

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  6. あ、すみません、誤解を招きました。
    私がコメントを書いたブログは、あの手の本を真剣に読んでいる読者、ってことです。
    著者は、そりゃ絶対長期投資以外認めないでしょう。あのセミナーの参加費を見ていると、長期投資より、長期投資の本を書いて上手に売る(実際これは難しいでしょうが)方が、うまく出来れば儲かりそうです。

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